◆『2002年に出版された子どもの本』 ◆

2003年4月29日・火曜日 ◆『2002年に出版された子どもの本』 ◆

 大阪府立国際児童文学館で28日と29日の2日に渡って『2002年に出版された子どもの本』という講座が開かれたので『くれよんの会』『おはなしばすけっと』のお友だちと一緒に、29日の部に参加して来ました。

 講演は1時からなのですが、児童文学館まで交通の便が悪いこともあって、朝10時過ぎに待ち合わせて、コンビニでお弁当を買ってから、Mさん運転の自家用車に乗り合わせて出発。
 吹田の万博公園の自然文化園の一角でお弁当を食べてから、文学館へ。
 会場には2002年に出版された絵本・児童書が展示されており、手にとってチェックするうちに、開講時間となり、途中5分間の休憩を2回はさんだだけで、みっちり、あとは絵本と児童書の情報をひたすら頭に詰め込む3時間(^^;)。 

絵本」「低学年読物」「中学年読物」「高学年読物」「知識の本」などに分けて、文学館の司書や専門員の川内さん、小松さん、土居さんのほか、科学読物研究会の西村寿雄さんも加えて、それぞれにご紹介くださいました。
 2002年の子どもの本の傾向として、まずは「ファンタジーブーム」。それから「再刊・復刊、新訳、装丁変更本の増加」「シリーズ、キャラクターものの増加」「ボーダーレス化」などを挙げていらっしゃいました。

 もうとにかく紹介される冊数が多くて、本好きにはたまらなく嬉しいんだけど、どんどん詰め込んでいくしかなく、頭グルグル(@_@)。ひ〜〜〜〜〜(^^;)(^^;)(^^;)。
 来月21日に「くれよんの会」で、紹介された本の復習として『絵本のもり』を開くことになったので、その分担(各自、何冊か実際に読んでみて感想を話し合います)を決めたり、7月に開催が決まったストリーテリング・ステップアップ講座の打ち合わせをしたりもして、地元に戻ってきたのは6時。

 なかなか濃密な1日でした。
 楽しかったけど、疲れた!

   **********************************

 講座内容について、もう少し詳しく。

 ボーダーレス化というのは、子どもの本とおとなの本の間の線引きのことですが、ヤングアダルト系の本が増えた他に、一般書の出版社が子どもの本を出版するようになったり、一般書の作家が児童書に乗り出してきたこと、などについてお話されました。
 子どもに向けての気配りが欠けている場合もあるようで、フリガナがなかったり、子ども向けでない表現があったりするのは問題だ、とおっしゃっていました。
 この「表現」という点では、最後の質疑応答の時に、学校図書館司書をされているという参加者から「子ども達に人気のあるYAの文庫には、子どもには過激すぎる表現が多いので心配だ」という意見も出ていました。

 また、復刊・再刊の中には「なんでこれが」と思うようなものも入っており、玉石混交なので、判断する目を養うことが大切だともおっしゃっていました。
 復刊されたのだから良い作品だろう、と頭から決めてしまってはいけない、ということです。
 あと、キャラクターでひっぱる絵本や児童書が増えてきており、キャラが立っていて、次々と物語が展開して行って面白いのだけれど、結末がきちんと描かれていなかったり、ファンタジーなどで王様やお姫さまが登場し、登場人物が安易に王様相手にひざまづいたりしてしまうのも、問題がある、というようなこともおっしゃっていました。
 物語の世界観がきちんと描かれておらず、ゲームの設定がそのまま物語として本になってしまっているような作品が増えた、ということだと思います。

 子どもには本を読んで欲しい、と思うし、楽しんで読める本は貴重ではあるけれど「楽しい本=良い作品」とは言えないことを、しっかりと踏まえて、子ども達にも喜んでもらえて、なおかつ「生きる力」にもなりえる作品を、選んで、提供していかないといけないんだと思います。
 なんでもいいから読んでいてくれたら安心、みたいなことでは、いけないわけです。まずは、子どもに関わる大人が「選べる目」を持たないとダメでしょう。学校図書館にきちんとした司書を置いて欲しい、というのは、そういうことがあるからですよね。

 とりあえず、私はまたせっせと本を読みます。それは、自分が読みたいから。
 でも、これからは「これは子どもたちに薦められるかどうか」という視点を、いつも忘れずに読んで行きたいと思います。

 

さんぽみち

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送